ナショナルパナソニックの据え置き型の中型ラジオです。
仲間にはFMが入るのもありますが、これは廉価版なのでAM中波のみの受信です。
しかし受信性能が良く、電池も使え、パワーもあるので店先や屋外作業の相棒として愛されました。
今でも結構、現役で使われています。
たまたま2台手に入れましたので、修理していきます。

1台目。
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問題は少ないのですが、上部のアルミの飾りがかなりサビています。
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内部には異常を感じません。
トランジスタを7石使っています。
当時の小型6石ポケットラジオに低周波増幅段を一段増やし、出力トランジスタもパワーを上げたものを使っています。
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問題の錆びた正面上部アルミ板は、板でなく、灰色プラの上に厚めのホイルを貼っているだけでした。
腐食しているので、剥がします。
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代わりにアルミテープを貼りました。
そう、変わらない出来栄えです。
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受信すると、残念ながらボリウムがガリ・・・
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ボリウムを外します。
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分解して内部を掃除し、スライダー端子を微妙にずらします。
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これでなんとかなりました。
きれいに掃除して、OK!!!
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2台目の修理に移ります。
1台目よりかなり汚れています。
家庭というより、現場で使われていたようです。
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これも剥がして、アルミテープを貼りました。
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汚れを取ると、傷も少なくきれいです。

しかし、電源を入れてもウンともスンとも言わないので、順に調べていったらスピーカーが死んでいます。
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他のテストスピーカーにつなぐと、ちゃんと受信しています。
ボリウムもガリではありません。
おおお、スピーカー以外は生きている!!!!

手持ちに全く同じスピーカーがなかったので、似たサイズのものをつけることにします。
口径はかなり違うけど、固定穴のサイズはやや近い・・・・
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なんとかあちこち削り、収めました。
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他は問題なし。1台目より美品です。
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2台を並べました。
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音質はスピーカーの大きい2台目の方が明らかに良いです。

感度がいいので、通信型受信機に迫れるかな???  と思い、長い室内アンテナをつけたところ・・・・
実にたくさんの局が入感するではありませんか!!!!!
やった!!!!   と喜んだら・・・・ ほとんど同じ局が重なっているだけでした。
つまり・・・ゴーストでした。
HAHAHA・・・・信号の強い局から455kHz離れている位置ごとに受信していたのですね・・・
いくら感度が高くても、高周波増幅を一段つけないと分離は難しいという当たり前のことでした。