サンヨー社の真空管ラジオを修理します。
以前にサンヨー社の5球スーパーSF-37を修理したけど、それの上位バージョンです。
(23年6月23日のブログ参照)
マジックアイ付きの6球スーパーで、外観も良好なのですが、惜しいことにツマミの一つに銀の飾り部分がありません。



これくらいきれいですと、問題は少ないでしょう。
バリコンがダイアル糸に引っ張られ曲がり、プーリーがマジックアイと干渉しています。
そのためチューニングツマミが滑らかに動きません。
電源も接触が悪いです。

シャーシを取り出します。

このバリコンの立てつけに調整が必要そうです。

真空管は6本。
一般の五球スーパーと異なるのは、マジックアイに6ME10を使うので、整流管に19A3を使うところです。また、そのためランプも3V150mA用になります。

真空管はすべて使えそうです。
回路図は裏に残っていました。
外部入力の切り替えスイッチ周りが大変そう・・・

バリコンは下に2mmの固いゴム板を敷いて、位置を整え強めに締めました。
本当は振動を考えると柔らかいクッションゴムの方が良いのですが、この構造ではダイアル糸のテンションに負けそのうちに再び傾きそうですから・・・

ヒューズを挟んで押さえる金属部分がバカになっていて、ヒューズがガバガバです。
これでは安定して通電するはずがありません。
針金巻きというちょっと安易な方法で修理してしまいました。
これは減点モノですね・・・

ここで電源を入れてみます。
おお、ちゃんと受信しました。
ラッキー!!!! 回路そのものは異常はなさそうです!!!!

各電圧はすべてOK。
ペーパーコンデンサの漏れによるグリッド電圧の異常も、電解コンデンサの劣化による強いハム雑音もありません。
しかし、音量調整用の500kΩA型ボリウムが完全に劣化しています・・・音量が絞れないのです・・・
ガリガリだけなら内部のスライダー位置の調整で直る場合もありますが、経年劣化による抵抗値の増大は交換するしかありません。
とは言え、このボリウムは、外部入力を切り替えるために、後ろのスイッチが6接点もあります。
交換したくてもこんな特注ものは手に入りません。
元のボリウムと新品のボリウムを分解して比べ、修理方法を探ります。
左が元々の6接点スイッチ付きのもの、右が新品の2接点スイッチ付きです。

スイッチ部だけでなく、軸の長さも違うので、何とかボリウムの抵抗摺動面だけを取り換えたい・・・
・・・可能でしょうか・・・
抵抗摺動面の板だけを取り出しました。
左が新しいものです。右の元のものとは中央のブラシの形状が違います。

新しい抵抗板に、元のブラシを移植しました。
これなら軸もケースも元のボリウムが使えそうです。

おおお!!!! 我ながら褒められる出来具合 !!!!!
抵抗部が新品の長軸6接点ボリウムができました。

元のように配線し直すと、まったくの問題なし!!!!
音量もゼロから微かにまで、絞れます。
これなら安心して夜間の枕元ラジオとして使えます。
これでシャーシ配線の修理は完全です。
ダイアル糸を張り直します。
これが結構メンドーでした・・・ 見てください、このややこしさ!!!!

可動部や接点にコンタクトオイルを指して、ラジオ部はすべて終了。
次はキャビネットの修理に移ります。
まずはできるだけ分解します。

ツマミは不揃いがあるとまず売れないので、似た形状のものと交換することにしました。

ボディは正面部を塗装するため、養生します。

ミルク色で塗装しました。

透明な正面プラはよく洗い磨いて、プラ用ワックスで仕上げました。

正面に出る7本のネジの頭と、指針、横直線のモールはツマミに合わせてゴールドで塗装しました。
キャビネットを組み立てます。

キャビネットも修理終了です。
シャーシをキャビネットに入れます。
これで完成です。



バーアンテナなので、アンテナ線を伸ばさずとも十分に受信できます。
マジックアイは一応見えますが、かなり劣化していて暗いです。
全体にまぁまぁの出来上がりかな・・・
以前にサンヨー社の5球スーパーSF-37を修理したけど、それの上位バージョンです。
(23年6月23日のブログ参照)
マジックアイ付きの6球スーパーで、外観も良好なのですが、惜しいことにツマミの一つに銀の飾り部分がありません。



これくらいきれいですと、問題は少ないでしょう。
バリコンがダイアル糸に引っ張られ曲がり、プーリーがマジックアイと干渉しています。
そのためチューニングツマミが滑らかに動きません。
電源も接触が悪いです。

シャーシを取り出します。

このバリコンの立てつけに調整が必要そうです。

真空管は6本。
一般の五球スーパーと異なるのは、マジックアイに6ME10を使うので、整流管に19A3を使うところです。また、そのためランプも3V150mA用になります。

真空管はすべて使えそうです。
回路図は裏に残っていました。
外部入力の切り替えスイッチ周りが大変そう・・・

バリコンは下に2mmの固いゴム板を敷いて、位置を整え強めに締めました。
本当は振動を考えると柔らかいクッションゴムの方が良いのですが、この構造ではダイアル糸のテンションに負けそのうちに再び傾きそうですから・・・

ヒューズを挟んで押さえる金属部分がバカになっていて、ヒューズがガバガバです。
これでは安定して通電するはずがありません。
針金巻きというちょっと安易な方法で修理してしまいました。
これは減点モノですね・・・

ここで電源を入れてみます。
おお、ちゃんと受信しました。
ラッキー!!!! 回路そのものは異常はなさそうです!!!!

各電圧はすべてOK。
ペーパーコンデンサの漏れによるグリッド電圧の異常も、電解コンデンサの劣化による強いハム雑音もありません。
しかし、音量調整用の500kΩA型ボリウムが完全に劣化しています・・・音量が絞れないのです・・・
ガリガリだけなら内部のスライダー位置の調整で直る場合もありますが、経年劣化による抵抗値の増大は交換するしかありません。
とは言え、このボリウムは、外部入力を切り替えるために、後ろのスイッチが6接点もあります。
交換したくてもこんな特注ものは手に入りません。
元のボリウムと新品のボリウムを分解して比べ、修理方法を探ります。
左が元々の6接点スイッチ付きのもの、右が新品の2接点スイッチ付きです。

スイッチ部だけでなく、軸の長さも違うので、何とかボリウムの抵抗摺動面だけを取り換えたい・・・
・・・可能でしょうか・・・
抵抗摺動面の板だけを取り出しました。
左が新しいものです。右の元のものとは中央のブラシの形状が違います。

新しい抵抗板に、元のブラシを移植しました。
これなら軸もケースも元のボリウムが使えそうです。

おおお!!!! 我ながら褒められる出来具合 !!!!!
抵抗部が新品の長軸6接点ボリウムができました。

元のように配線し直すと、まったくの問題なし!!!!
音量もゼロから微かにまで、絞れます。
これなら安心して夜間の枕元ラジオとして使えます。
これでシャーシ配線の修理は完全です。
ダイアル糸を張り直します。
これが結構メンドーでした・・・ 見てください、このややこしさ!!!!

可動部や接点にコンタクトオイルを指して、ラジオ部はすべて終了。
次はキャビネットの修理に移ります。
まずはできるだけ分解します。

ツマミは不揃いがあるとまず売れないので、似た形状のものと交換することにしました。

ボディは正面部を塗装するため、養生します。

ミルク色で塗装しました。

透明な正面プラはよく洗い磨いて、プラ用ワックスで仕上げました。

正面に出る7本のネジの頭と、指針、横直線のモールはツマミに合わせてゴールドで塗装しました。
キャビネットを組み立てます。

キャビネットも修理終了です。
シャーシをキャビネットに入れます。
これで完成です。



バーアンテナなので、アンテナ線を伸ばさずとも十分に受信できます。
マジックアイは一応見えますが、かなり劣化していて暗いです。
全体にまぁまぁの出来上がりかな・・・
コメント
コメント一覧 (8)
トランスレスの球35C5 使用の機種に 30A5(品番が間違えているかも) は差し替え可能でしょうか
ラジオ屋
が
しました
お尋ねの30A5と35C5の差し替えですが、まったく問題はありません。
ピン配置は同じです。
ものすごくこだわるのでしたら、
30A5と35C5の違いは、出力インピーダンスが2.4kΩと2.5kΩ、グリッド電圧が-6.7Vと-7.5V、プレート電流が43mAと41mA、くらいで真空管としての互換性は非常に近いものです。
ただし、パワーは35C5の1.5Wから30A5の2.1Wと大きく増えます。これは35C5が50C5というビーム管のヒーターを下げて開発したのに、30A5は初めから2Wを出す5極管を目標に開発されたためです。
ラジオ屋
が
しました
ヒーター電圧の30Vと35Vの違いは気にするほどではありません。
トランスレス管はすべて150mAのヒーター電流が基本なので、5Vくらいの違いは他の真空管で吸収されてしまいます。
例(A) 12BE6+12BA6+12AV6+30A5+35W4=101V
(B) 12BE6+12BA6+12AV6+35C5+35W4=106V
家庭用AC100Vの許容される電圧変動は、電力会社によるとプラスマイナス6Vとなっております。つまりもともと、94Vから106Vまで電信柱上のトランスからの位置によってこんなに違うわけです。
さらにメーカーでは電気製品はプラスマイナス10Vまで対応できるようになつています。
ラジオ屋
が
しました
確認したら、AC100Vの許容電圧はAC101Vプラスマイナス6Vで、95Vから107Vでした。
ラジオ屋
が
しました
ちょっとお願いがあります。
トランスレス(SANYOの機種SS−33)の整備をお願いしたいのですが
ラジオ屋
が
しました
ラジオ屋
が
しました
一般的な戦後製造のプラスチックボディのトランスレス5球スーパーでしたら、普通の修理で送料別で基本6000円ほどいただきます。それでよろしかったら、またコメントください。
なお、今月の18日(金)19日(土)20日(日)に、東京ビッグサイトで行う「骨董グランデ」に出店しますので、そこで8000円程度から15000円くらいで修理済み5球スーパーを何台か販売しますので、そちらの方が安いかも・・・
ご自分で直してみるのでしたら、サポートします!!!!!
ラジオ屋
が
しました
グランデ行きたいだけど何せ遠方なので‥
ラジオ屋
が
しました