①ソニーICF-P36の修理
飾り気のない直方体型のAM・FMラジオです。
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外見はそれほど問題はなさそうです。

電池ブタをはずすと、電池金具がアウト!!!!
液漏れで-側のスプリングに緑青が見られます。
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カラ割します。
留めネジを二本はずします。
しかし、割るのがめちゃくちゃ固い!!!!!
何十分も必死に格闘しました。
ソニーは、なんでこんなにツメを固くする必要があるんだ!!!!
そんなに故障しない自信があるんかい!
多少キズがつきましたが、やっとドライバーでこじ開けました。

中までは液漏れが浸透していないようです。
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ダイレクトに電池をつなぎます。
AMは受信できました。
しかし、FMが受信しません。
AM・FMの選択スイッチが不具合なのでしょう。
スライドスイッチをドライバの先でショートさせるとFMが受信できます。

スライドスイッチを外しました。
(けっこう大変ですよ‥‥)
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スライドスイッチを分解して、接触部分の汚れを2000番の紙ヤスリで軽くきれいにします。
上の可動プラを外すと、極小スプリングとベアリング玉が飛び出すので注意!!!!
弾けるとまず見つからない‥‥ 経験談です‥‥
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元の通りに直し、ハンダ付けします。

結果、FMもきれいに受信できるようになりました。
ソニーよ、こんな安っぽいスライドスイッチを使うなよ‥‥

次に電池金具を錆取剤に浸けてサビをとりました。
電池金具も鉄にクロムメッキでなく、ステンレスの金具を使ってほしいよね。
きれいになった電池金具をとりつけます。
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これなら液漏れ跡もわからないでしょ。

組み立てます。
修理完了です。
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さすがソニー、受信状態は文句なしに良好です。

②オーム電機RAD-T307Nの修理
オーディオコムという商標のラジオです。
この会社の廉価版ラジオはよく当工房にやってきますが、この機種は結構気合を入れて作った感があります。
AMとFM以外に当時のテレビ用に2バンドあり、計4バンドのポケラジです。
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外観もわりときれいです。

電池を入れます。
スイッチオン!!!!  ジャリジャリガリガリ‥‥ものすごい雑音がします。
どこかで何か外れかかっているのか、ショートしかかっているのか‥‥
ボリウムを回すと音が変わるので、原因はボリウム周辺でしょう。

カラ割します。
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わっ!!!!!  外からは気づかなかったけど、液漏れがひどい。

液漏れした跡の乾燥成分(結晶???)をていねいにこすり落とします。
さらに分解します。
ボリウム周りです。
ボリウムの摺動面はそれほどすり減ったり、傷ついていないようです。
接点復活剤を入れてOKでした。
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おっと、マイナス側の電池金具のスプリングがとれてしまいました。
基板のパターン面にハンダ付けしてあるだけです。
力がかかるマイナス側だから、もう少し丈夫さを考えるべきでしょう。
新たに針金の補強を入れて、ハンダ付けし直します。
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組み立てます。
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完了です‥‥と思ったのですが、どうもFMの感度が悪い。
AMも最大音量が小さい。
スイッチを入れた直後はベストなのですが、数秒で悪化します。
数秒で悪化‥‥ 電池を新品にしても同じ‥‥ 初めての経験です。
これは、ゼロから修理のやり直しですね‥‥トホホ‥‥
それにしても、どこの回路が壊れればこうなるのでしょうか????

※追記 
先ほど、分解し直した結果、裏ブタにあるアンテナ接続タマゴラグにハンダ付けしたリード線のヒゲが、裏ブタを強く閉めると、基板のボリウムに接触することを発見しました。
タマゴラグを止めているネジをはずし、ハンダ付けし直してヒゲをなくして終了。
普通に受信できるようになりました。

③パナソニックRP-130の修理
パナソニックのAM専用でアンテナ無しの最廉価版ラジオです。
日常聴くのでなく、非常防災用には安くていいかな。

外見はきれいです。
AM放送も問題なく聴けます。
ただ、表示の指針が水平でなく傾いているのが安っぽい‥‥
曲がってついているのかな‥‥
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カラ割します。
いたってシンプルです。
裏側にICが一個だけ、それだけで455kHzセラミックフィルター付きスーパーヘテロダインラジオができるのですから‥‥
中央の黄色いのがセラフィルです。
昔は455kHzのメカフィルが通信機用にどれほど欲しかったことか‥‥
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指針を取り出します。
こんなゴム製品では‥‥
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軽く曲げたけど、すぐに元に戻ってしまいました。
指針を水平に保つのは‥‥無理です。

オン・オフがわかるようにボリウムのダイアルに白をいれました。
きれいに磨いて組み立てます。
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やっばり指針はちょっと傾いています。
なんの苦労もなかったけど、修理完了。

今回はこれまで。
次回は半導体をやめて、真空管ラジオ修理に戻ります。