前回にシャーシを修理したゼネラル社の真空管ラジオの完成です。
中身は標準的なトランスレス五球スーパーですが、超細長いスピーカーの使用、MWとSWの指針が並行して動くこと、フローティングアース、右下にまとめた四つのツマミなど他社とは違う不思議なデザインが特徴です。
(以前2020.1/27に5MA564を修理していますが、同様の形状が特徴でした)
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キャビネットの修理を振り返ります。
残念なことに、以前に修理された跡があります。
製造時はボディに表面のプラスチック板の凸部を食いこませ、コテで熱接合しています。
以前の修理者はそれを凸部を折る形で分解し、修理後(清掃後?)に短くなった凸部を無理に熱接合しています。
そのため、ほとんどの箇所で接合されておらず、ちょっと力をいれたら簡単に分離してしまいました‥‥
自分としては分解は楽だったけど、再結合は難しそう‥‥
凸部を元から折るのでなく、細かく接合部分だけを割ってほしかった‥‥
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洗剤でよく洗います。
再塗装しなくてもこれなら大丈夫そうです。
GENERALのエンブレムは真鍮磨きで光らせました。
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こういう「光もの」の輝きは、良いアクセントになります。

ツマミは洗剤にしばらく浸け、洗浄後、オイルで艶を出しておきます。
一番左の1個だけ、小さなヒビが入っています。
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指針の動くスライドガイドの油汚れをとり、新たにグリスを塗ります。
指針の先端がサビているので、元の金色に塗りました。

キャビネットを組み立てます。
表面板の凸部が折れているので、ボディと熱接合できるほど重なる部分がありません。
やむを得ず接着剤でつけました。
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シャーシやスピーカーを入れます。
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アンテナ線を延長して完成です。

色がオシャレですね。
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次回は昭和30年代初めという骨董品に近い、大型木製キャビネットのトランス式高1中1スーパーの修理をします。
ST管MT管の混在で、マジックアイつきです。
大物ですので、しばらくかかりそうです!!!!