チャンネルセパレーションミックスアンプが2台完成しました。
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左は前回に載せた2mm銅線と市販の抵抗の組み合わせのもの。
右は昭和二十年から三十年代の国産のめちゃめちゃ古い抵抗です。

右の線材はアメリカ製のでっかいソファサイドラジオのジャンクから取りました。
10球も使っていたスーパーラジオです。
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驚いたことに、このラジオに使われているのは「絹巻き線」です。
しかも、線材の表面の布を切り取り、中の絹糸を回して取り除くと、中の銅線はスズ(?)メッキが少し汚れているだけで、錆びたりボロボロに劣化してはいません。

なんと、軽くこするだけで線にハンダがのります!!!!!!

国産の古典ラジオのトランスを復活させるのに、元の絹巻き線を再利用するためには、まず徹底的に表面の錆を落とさないとハンダはのりません。
そのため、銅の錆びた表面をこすり紙ヤスリで銅色を出すという、うんざりする作業をしなければなりません。

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正直、びっくり‥‥
当時の日本と米国との国力の違いを知りました‥‥

この絹巻き線を端子に固く巻き付け、完全に接触させて抵抗のない状態でハンダ付けします。
これならハンダの成分の影響はないでしょう。
‥‥実は、当方にはビンテージのハンダなどありませんので‥‥

もっともハンダが溶けて鉄や銅と融合するとき、境目が半導体になってそれが音質に影響する、という(トンデモ)話もありますが‥‥

実際に試聴してみます。
正直、こんな結果は予想していませんでした‥‥

結論を述べます。
ボリウムの回転で音場が変化するのはとても面白いです。
そして、その回転の途中に自分の耳に聞きやすい音場域があります。
左右がしっかり分離しているだけが聞きやすいのではない、でも完全に混合させてモノラルな音が聞きやすいわけでもありません。
自分の耳は、ボリウムを中央からやや左に回した角度が気に入っています。
‥‥これって記事に書いてある著者の感想と同じじゃん‥‥
自分はそれなりの歳なので、耳の聴感エリアが狭くなっているのかもしれません。

しかし、古い抵抗と新しい抵抗、2mm銅線と古い絹巻き線、その音の違いはわかりませんでした。

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何日間も聞き比べれば、もっと違いを感じられたかもしれません。
でも2台はもう依頼された方に送りました。

自分用に、もう1台作ろうかな‥‥
でも‥‥300Bモノラルパラレルアンプを2台でステレオにしている意味が薄れるというか、自分のポリシーが崩れていく‥‥