ついに来ました。真空管管ギターアンプです。
これまで真空管ラジオの修理は数百台、トランジスタラジオも合わせれば千台は直したかもしれません。
正直、骨董ラジオも、五球スーパーも、ポケットラジオも、カセットテープも、もう飽きた・・・・・

そこで前からやってみたかったギターアンプです。
ネットで見つけました。
日本ハモンド社の真空管ギターアンプ JUGG BOXシリーズ STUFF020G です。
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中がよく見えませんので、裏板の上部を外しました。
シャーシが上部にあるので、逆立ちさせています。
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なんと、真空管がたったの2本!!!!
1本は12AX7Aのシールド補強付きの高級ものです。チャイナだけど。
太いもう1本はEL34の太型タイプ、一般名は6CA7です。
シングルで20Wを出したのでしょうね、型番が020Gですから。
スピーカーは40Wと記されているので、アンプ出力はもっと出せそうです。

心躍らせて、分解します。
前面のツマミを外しました。骨董ものと違いイモネジがすべて簡単にはずれました。感激しました。いつものラジオ修理はツマミ外しから格闘ですから・・・・・・ ただ、ここははずさなくてもシャーシは外れました・・・・・
ボディからシャーシを抜くのに、途中表のハンドルの固定ネジが邪魔をして、コツが必要です。

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長四角の金属箱はリバーブユニットでしょう。中にスプリングとコイルが組み合わさり、音の震えを作りだします。
現代はデジタルで簡単に作れますが、当時はこんなでっかい装置だったのです。
真空管をはずすと、なんと広い平面でしょう!!!!
これならあと数本は増設できそう・・・・・

シャーシ内部を見てみます。
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何、このガラガラ感・・・・・・

固定しているネジを外すと、プリント基板の回路がわかります。
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これもまたシンプル・・・・・

制御部の基板にはICが2個使われているので、信号の初めは半導体で増幅し、途中、リバーブで減衰した分を再び増幅しているのでしょう。

う〰ん、これをいじくって、ああしたい、こうしたいと思う気持ちが高まります。
今まで十数台の真空管ステレオアンプを作ってきたので、モノラルなら、半分で済む・・・・・

前提として、ステレオアンプと違い、「歪は気にしない」ことにします。
元々、ギターアンプは歪が味になるものです。
半導体の歪と比べて、真空管の歪の味を好むギタリストが多く、それがために、未だに真空管ギターアンプは隆盛を誇っています。
自分も真空管屋として、参加してみたい・・・・・

どういう仕様にしようかな・・・・・・ こういうのを考えるのは最高の時間です・・・・・

①出力をEL34シングルから、KT88プッシュプルにしたい。
  KT88の相撲取りみたいな迫力感は、他に替え難い・・・・
 出力は楽に50Wオーバーかな。

②もちろん電源トランスはもう二回り大きくします。
 最低400V200mAは欲しい。できれば300mAクラスは欲しいかな。

③出力トランスもプッシュプル用にします。
 100Wクラス・・・・タンゴのFW100-5かな。

④位相反転回路をトランスで行います。
 トランスドライブは真空管くささを引き立てるし、回路変更も製作も楽になります。
 くせが強くなるので、失敗のもとになるかもしれませんが・・・・

⑤プリアンプ(制御)部はそのまま残します。
 ボリウムがずらりと七つも並ぶのはちょっといじれない。ここは、手を付けずに残します。
 ただし、劣化したボリウムは新品と交換します。

⑥ボディ全体はきれいにするだけにします。
 再塗装や部分張り替えするだけとし、ゼロからの木工製作はやりません。
 たぶん、ボディ製作から始めたら一年はかかるから・・・・・

今回、初めて挑戦するギターアンプです。
うまくいくかわかりませんが、一か月くらいで完成までこぎつけたい・・・・・

似たような趣味を持つ皆さんの応援やお叱りの声、
あるとうれしいです。