今回はシャーシに部品を組み込んでいきます。シャーシとツマミ・コードを筐体に仮止めしました。
外見だけだと、完成しているみたい・・・・・
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まずはスピーカーの布を貼ります。
洗って乾かした布(金襴・きんらん)を接着剤で貼り付け、固着するまでテープで引っ張っておきます。
雑に貼って、出来上がりにシワがあると、価値が下がりますからね。
ボンドがまだ乾いていないのがよくわかります。もう、三日目なのに梅雨の天気が・・・・・
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回路について、いろいろと考えました。

①意外なことに電源トランスが生きていました。
 ➡電源トランスを生かすため、2.5V管で統一することにします。
 本当は6.3V管の方が優秀で、選択幅も広がりますが、「古さ」の価値となると無理をしても昔の真空管の方が価値ありそうです。

②2.5V管で再生増幅もせずに無理なくラジオをきくために、ついていた(ヒーター切れだったけど)56のような三極管では増幅率が足りません。特に段間トランスが切れているので、普通の抵抗結合では感度が不足します。
 ➡56を使わないで、性能の高い五極管の57を使い、58-58-57-47B-12Fのラインにします。
 ソケットに227と印字されていた本来(生産時)のオリジナルの227も三極管です。その後の修理で56に替えられたようです。

③チョークトランスが切れている。
 ➡現代のチョークトランス10H100mAを使うことにします。アンプ用のシールドされた高級品なので正直もったいない・・・・・ でも仕方がないか・・・・・・ ちょっときれいすぎて現代的・・・・・・
 切れた段間トランスはあきらめて、抵抗結合にします。

④音量調整は一般的な500kΩボリウムにして、検波後に音量調整することにします。アンテナ後の電波減衰アッテネーターとしてのボリウムは使いません。

⑤前回に説明しましたが、雑電波を出さないために再生増幅によるグリッド検波はしません。
 ➡プレート検波を行い、微調整はカソード抵抗で行います。
  ・・・・・・ 禁断の実ですが、ダイオード検波の方がはるかに楽 ・・・・・

⑥信じられないかもしれませんが、もともとは電源スイッチをツマミではなく、コードの途中のスイッチで入り切りしていました。ラジオが神棚のように高いタンスの上などに置かれていたからです。NHKしかありませんから選局もしませんし・・・・・・・ だいいち、昭和初期は電気の来ていない村もたくさんありましたし、このラジオ一台は高級自動車くらいの値段で、村の村長さんくらいしか買えません・・・・・。
もともとはツマミは、「再生用豆バリコン」と「アンテナボリウム」と「周波数調整バリコン」の三つです。
 ➡現代でもわかりやすい「電源スイッチ」と「音量ボリウム」と「周波数バリコン」の三つのツマミにします。

以上の方針で修理を進めます。
二本の真空管ソケットの穴の数が変わったので(UY5穴➡UZ6穴)、ソケットを替えました。
500kΩボリウムの軸の長さを、筐体に合わせて延長しました。上はもともとのアンテナボリウムです。下の500kΩボリウム軸と延長軸を中央の筒にはめ接着します。
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シャーシにこれまでの部品をはめこみました。右上の黒いのが新チョークトランスです。
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しかし、もともとついていたコイルがインダクタンス計で2本とも280μH(ヘンリー)もあり、一般の210から260μHのコイルでは合わないので、どうしたらよいか、まだ迷っています。

とりあえず筐体にはめこみました。
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トップの写真はストロボで、これはストロボなしで撮ったものです。色はストロボなし、の方がいいかな・・・・・

次回はシャーシ内の配線です。